目次
年賀切手とは?
年賀切手は、年賀はがき以外のはがきに新年の郵便物を貼るために発行された特殊切手の1種です。
日本だけではなく東アジア、中国、韓国、台湾などでも発行されていますが、アジアでは1935年に日本が最初に発行を始めました。世界では南米パラグアイに次ぐ二番目の発行となっています。
もともと年賀状への利用を想定していたため、3億3163万枚という大量の枚数が発行されました。
しかし日本では戦中戦後と混乱した世相、多くの人命が失われるなど年賀状を送る事態ではなく、一時期発行が中断された時期もありました。幸いにも戦後の混乱も収まり、経済成長の兆しが見えるようになると年賀切手も再開され、現在に至ります。
普段使うことがない年賀切手ですが、お年玉付き年賀はがきの賞品の一つであるお年玉切手シートも実は年賀切手の一つとみなされています。
平常の時期に使われることが少ない切手であることから、やや特別感もありコレクションのジャンルとして確立した切手でもあります。ちなみに、中国切手を代表する赤猿切手も、年賀切手の1つとなります。
年賀切手の買取相場
年賀切手のように発行数の多いものは基本的に安く取引されることが多いですが、絵柄のデザインや年賀というイベントに使われる切手であるという性質から、比較的買取価格も高い特徴があります。
もちろん、最近の年賀切手はプレミアがつかないので安価な買取価格となることが多いです。一方で昭和中期、特に昭和30年までに発行された年賀切手は比較的買取価格が高い傾向にあります。
初めて発行された年賀切手の富士山や発行数が少ない応挙のとら(虎)は特に高く買い取りされ500円を超える金額で取引されます。
年賀切手の買取相場一覧
富士山
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1936年12月 |
額面の種類 | 1.5銭 |
買取価格の目安 | 1,000円前後(美品・バラ)、10万円(シート) |
その他備考 | 日本で初めて発行された年賀切手です。江戸時代の有名画家、渡辺崋山の描いた富士をもとに図案化した切手で、四隅に縁起の良い松竹梅、菊の紋章をあしらっており、おめでたさを演出するデザインとなっています。
発行数が多いものの戦前の発行のため、美品であれば1,000円を超える買取価格です。 |
富士山切手についてさらに詳しく知りたい方は、「富士山切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
夫婦岩
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1937年12月 |
額面の種類 | 1.5銭 |
買取価格の目安 | 200~500円(バラ)、20,000円(シート) |
その他備考 | 年賀切手として二番目に発行された切手です。伊勢神宮近くになる二見が裏の夫婦岩がモチーフになっています。海上にせり出した大小の岩が夫婦とみなされ、現在も有名な縁結びの観光名所となっています。
美品であれば500円程度の買取価格がつく場合もあります。 |
夫婦岩切手についてさらに詳しく知りたい方は、「夫婦岩切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
しめ飾り
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1938年12月 |
額面の種類 | 1.5銭 |
買取価格の目安 | 400~1,000円(バラ)、20万円(100面シート) |
その他備考 | 年賀切手として三番目に発行された切手です。正月らしいデザインとなっており、正月に飾るしめ飾りをモチーフとした切手となっています。
戦前の切手であることや当時の不穏な世相から流通数がやや少ないため美品であれば1,000円を超える金額で取引されます。 |
しめ飾り切手についてさらに詳しく知りたい方は、「しめ飾り切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
羽根つき
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1948年12月 |
額面の種類 | 2円 |
買取価格の目安 | 100~500円(バラ)、5,000~10,000円(シート) |
その他備考 | 戦争を挟み、戦後初めて復活した年賀切手です。郵政省のデザイナーだった日置勝駿(郵便旗など郵政にまつわる様々なデザインを担当)が正月らしいモチーフとして羽根つきを選びデザインしました。
美品であればバラでも500円程度、シートであれば10,000円程度の金額で取引されます。 |
羽根つき切手についてさらに詳しく知りたい方は、「羽根つき切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
応挙のとら
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1950年2月1日 |
額面の種類 | 2円 |
買取価格の目安 | 100~500円(バラ)、2,500~10,000円(シート) |
その他備考 | こちらは発行部数が少なく、希少価値の高い年賀切手です。一般に販売されたものではなく、その前年に初めて発売したお年玉付き年賀はがきの6等の景品として発行されました。写実的な日本画を描いた江戸時代の画家である円山応挙の代表作の一つがこの虎です。
美品であれば基本的に2,500円以上の買取価格がつきます。 |
応挙のとら切手についてさらに詳しく知りたい方は、「応挙のとら切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
少女と兎
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1951年1月1日 |
額面の種類 | 2円 |
買取価格の目安 | 100~150円(バラ)、1,000~3,000円(シート) |
その他備考 | 1月1日に発行され販売された年賀切手です。ウサギを抱くおかっぱ頭の少女がモチーフになっているオリジナルのデザインとなっています。
景品ではなく販売される形式であったことから枚数も多く、買取価格は他の年賀切手に比べやや低く150円前後になります。ただ、状態の良さやシートでの買取であればそれ以上の価格が望めます。 |
少女と兎切手についてさらに詳しく知りたい方は、「少女と兎切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
翁の面
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1952年 |
額面の種類 | 5円 |
買取価格の目安 | 100~200円(バラ)、10,000~40,000円(20枚シート) |
その他備考 | この年から5円の額面になった年賀切手です。翁の面と年賀のかかわりについてですが、翁の面には天下泰平、安全、五穀豊穣、および家門の繁栄、子孫繁栄、そして長寿の祝福をもたらすという意味があり、おめでたさを意味する面になります。
販売された切手という経緯から、買取価格は100円から200円程度となります。 |
翁の面切手についてさらに詳しく知りたい方は、「翁の面切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
三番叟人形
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1953年 |
額面の種類 | 5円 |
買取価格の目安 | 100~200円(バラ)、500~2,400円(シート) |
その他備考 | 三番叟は能楽の「翁」を意味する舞のことで、先年に発行された翁に通じるものがあります。ただ、この絵柄は浄瑠璃の三番叟に用いる子供の人形をモチーフとしてデザインされています。
販売された切手という経緯から、買取価格は200円程度となります。 |
三番叟切手についてさらに詳しく知りたい方は、「三番叟切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
三春駒
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1954年 |
額面の種類 | 5円 |
買取価格の目安 | 100~300円(バラ)、1,000~2,500円(シート) |
その他備考 | 三春駒は福島県に伝わる子育てのお守りです。坂上田村麻呂が8世紀ごろの蝦夷との戦いに赴く際に清水寺の僧侶から送られたという伝説があります。
販売された切手であるという経緯から、300円弱で買い取られます。 |
三春駒切手についてさらに詳しく知りたい方は、「三春駒切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
だるま
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1955年 |
額面の種類 | 5円 |
買取価格の目安 | 100~200円(バラ)、3,000~5,000円(シート) |
その他備考 | だるまは縁起が良く、現在でも神棚などに飾られています。このダルマのデザインは加賀八幡起上りという種類を採用しています。
枚数も多く買取相場が100円程度と年賀切手としてはやや低い買取価格です。 |
だるま切手についてさらに詳しく知りたい方は、「だるま切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
こけし
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1956年 |
額面の種類 | 5円 |
買取価格の目安 | 50~100円(バラ)、1,000~3000円(シート) |
その他備考 | こけしは魔よけの意味もある民芸品です。このこけしのデザインは宮城県の遠刈田温泉のものを採用しています。
枚数も多く買取相場が100円程度と年賀切手としてはやや低い買取価格です。 |
こけし切手についてさらに詳しく知りたい方は、「こけし切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
長崎くんちのだんじり
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1957年 |
額面の種類 | 5円 |
買取価格の目安 | 10~100円(バラ)、2,000円(シート) |
その他備考 | 長崎くんちというお祭りのだんじりが描かれています。毎年秋に行われる山車がモチーフになっています。このクジラは冬の鯨の追い込みの姿で、山車の中でも冬を意味しています。
カラーの年賀切手になりますが、枚数も多いため買取相場が高くとも100円程度と、年賀切手としてはやや低い買取価格です。 |
長崎くんちのだんじり切手についてさらに詳しく知りたい方は、「長崎くんちのだんじり切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
犬張子
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1958年 |
額面の種類 | 5円 |
買取価格の目安 | 30円(バラ)、500円(シート) |
その他備考 | 犬張子は東京の郷土玩具です。雪模様を背景にしたデザインとなっており、平安時代には厄払いに用いられました。
枚数も多いため買取相場が30円程度と、年賀切手としてはやや低い買取価格です。 |
犬張子切手についてさらに詳しく知りたい方は、「犬張子切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
鯛えびす
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1959年 |
額面の種類 | 5円 |
買取価格の目安 | 20~100円(バラ)、500~800円(シート) |
その他備考 | 鯛えびすは香川県高松市の嫁入り人形の一種で、大変縁起が良く嫁ぎ先の近所の子どもたちへの手土産として用いられました。例年日本各地の民芸品を採用しており、この年民芸品として採用されたのがこの鯛えびすです。
買取相場が20~100円程度と、年賀切手としてはやや低い買取価格です。 |
鯛えびす切手についてさらに詳しく知りたい方は、「鯛えびす切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
米食いねずみ
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1960年 |
額面の種類 | 5円 |
買取価格の目安 | 30~70円(バラ)、100~1,000円(シート) |
その他備考 | 米食いねずみは石川県金沢市の民芸品で、江戸時代足軽の内職として推奨したのが始まりです。民芸品であると同時にねずみはその年の干支でもあり、この年からお年玉年賀切手は干支をモチーフにするようになった経緯があります。
買取相場が30~70円程度と、年賀切手としてはやや低い買取価格です。 |
米食いねずみ切手についてさらに詳しく知りたい方は、「米食いねずみ切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
赤べこ
項目 | 内容 |
---|---|
発行年度 | 1961年 |
額面の種類 | 5円 |
買取価格の目安 | 25~100円(バラ)、500~1,000円(20枚シート) |
その他備考 | 赤べこは福島県の郷土玩具です。その年の干支が丑(うし)であったことから赤べこが採用されました。こけし同様、魔よけの意味が込められています。
比較的新しい年代の切手であることと枚数が多いことから、時に買取相場が100円を下回ることも多くあります。 |
赤べこ切手についてさらに詳しく知りたい方は、「赤べこ切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」を参考にしてください。
年賀切手の買取実績
年賀切手の過去の買取実績の一例は、下記のとおりです。
切手 | 価格 |
---|---|
昭和11年用年賀切手 壱銭五厘 富士山 | 1,000円 |
昭和11年用年賀切手 富士山 20面シート | 50,000円 |
昭和12年用 年賀切手 壱銭五厘 夫婦岩 | 500円 |
昭和13年用年賀切手 しめ飾り 弐銭 | 1,200円 |
昭和24年用年賀切手 2円 羽根つき | 300円 |
昭和25年用年賀切手 2円応挙のトラ | 500円 |
昭和25年用 年賀切手 円山応挙のトラ小型シート | 7,000円 |
昭和26年 年賀切手 2円 少女とウサギ | 300円 |
昭和26年 少女とウサギ小型シート | 3,000円 |
昭和27年用年賀切手 5円 翁の面 | 300円 |
また、年賀切手以外の特殊切手の買取相場についてさらに詳しく知りたい方は「特殊切手の買取価格相場と高く売るためにおすすめの専門店を徹底解説!」の記事を参考にしてください。

年賀切手の買取におすすめの専門店
バイセル
年賀切手の買取におすすめの専門店はバイセルです。バイセルは、一円でも他店より安い場合は買取しないという強気の高額査定に定評があります。
年賀切手は発行年代ごとに価値が異なり、バラかシートかなどの保存状態によっても大きく価値が変わる切手になります。切手の買取はリサイクルショップや質屋でも実施していますが、年賀切手の種類ごとの価値を把握できないことが多く、不当に低い買取額を提示されてしまうことがあります。
一方バイセルには切手専門の鑑定員を全国各地に配置しているので、全国どこでも年賀切手の価値を十分に反映した高額査定をしてもらえます。実際にバイセルでは、昭和11年用年賀切手 壱銭五厘 富士山をバラで1,000円以上の価格で買取した実績もあります。
バイセルの査定は無料なので、ぜひお気軽に利用してみることをおすすめします。
バイセルの評判や口コミについてさらに詳しく知りたい方は、「【バイセルの切手買取】口コミ評判・買取相場を実際の体験談をもとに徹底解説!」を参考にしていただければと思います。
また、バイセル以外におすすめの切手買取専門店について知りたい方は、「切手買取専門店おすすめランキング!口コミ評判を比較し、どこが良いのかを徹底解説!」を参考にしていただければと思います。